米国のインフレは今後どうなる⁈
米インフレ率は低下基調が続いていましたが、その主な原因はエネルギー価格の下落によるものです。しかし、エネルギー価格は足元で再び上昇基調に転じており、今後のインフレ低下に向けて楽観はできません。
CPI(消費者物価指数)のヘッドラインは2022年6月の前年同月比+8.9%をピークに、2023年6月に同+3.0%まで減速し、7月は同+3.2%と僅かに加速したものの、引き続き3%台前半の水準を維持しています。コアCPIについても、ピークの2022年9月(同+6.6%)から、2023年6月は同+4.9%、7月は同+4.7%まで減速しました。これらの結果を受けて、7月FOMC(米連邦公開市場委員会)後の記者会見で、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は「楽観的」という言葉を使う段階ではないとしつつも、労働市場で深刻なコストを伴うことなく、ディスインフレの初期段階が見られるようになったと述べ、安堵感を示しています。
しかし、足元のインフレ減速は、どれくらい持続的なものなのでしょうか。ロシアによるウクライナ侵攻以降、高騰していた原油価格が2022年後半から次第に低下していくのに伴って、ヘッドラインへのエネルギー価格の寄与も縮減しており、直近では5カ月連続でマイナス寄与となっています。このエネルギー価格こそがこれまでのCPI減速の主因であり、ヘッドラインがピークをつけた2022年6月から直近2023年7月までの減速幅のうち、およそ7割が原油価格の動向で説明可能でありました。
しかし、直近で原油価格は再び上昇基調に転じているため、今後、再びエネルギー価格がインフレを押し上げる要因となる懸念は払しょくされていません。
当然世界で原油を売買する時には主軸通貨のドルが使われます。原油価格が高騰するとドル需要が増えるためドル高となります。さらに、今月13日に発表される米CPIの予想値は3.6%と再び上昇することが懸念されています。インフレ率が再度上昇すると米国の利上げの可能性も上昇し、米国株の上値を重くする要因にもなりかねません。
会社名:エドワード・ジョーンズ・インベストメンツ(Edward Jones Investments)
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